1956年静岡県生まれ。映画監督、脚本家、俳優。明治大学在学中に松井良彦、石井聰亙(現 石井岳龍)らと出会い、『錆びた缶空』(79年)、『狂い咲きサンダーロード』(80年)などに出演。その後、『変態SEX 私とろける』(80年/渡辺護監督)、『ラビットセックス 女子学生集団暴行事件』(80年/小水一男監督)に出演したことをきっかけに、ピンク映画に関わり、出演作は100本を超える。82年に自主製作した『ミミズのうた』で脚本、監督、主演を自らこなすスタイルを確立。同作は「PFF1983」に入選、エジンバラ映画祭、アントワープ映画祭などに出品された。88年に『追悼のざわめき』(松井良彦監督)に主演。89年に『監禁 ワイセツな前戯』(『最後の弾丸』)でピンク映画監督としてデビュー、ドラスティックな作品を次々と発表し、瀬々敬久、サトウトシキ、佐藤寿保らとともに「ピンク四天王」と呼ばれる。95年には、東京亀有の名画座で「佐野和宏映画祭」が開催され、処女作を除く全監督作が上映された。しかし、97年の『熟女のはらわた 真紅の裂け目』(『ふくろうの夏』)以降、監督作から遠ざかっていた。2011年6月に咽頭癌が見つかり、7月に手術を受け声帯を失う。本作『バット・オンリー・ラヴ』で18年ぶりに監督に復帰した。
2008年にAV女優としてデビュー。ファンの根強い支持を得て、コンスタントに作品に出演。「昭和エロスシリーズ」で知られるヘンリー塚本監督作品などにも参加。近年はピンク映画にも進出。オムニバス映画『いんらんな女神たち』の第三話「騒々しい来客たち」(13年/矢野泰寛監督/原題『ノリオの惑星』)、『奥様は18歳 超ドキドキ保健室』(14年/関根和美監督/原題『ヤバ!!』)、『桃尻娘のエッチな大冒険』(15年/関根和美監督)などに出演。
1999年、神野美幸としてAV女優デビューし、2000年から08年まで風見京子の名で活動。01年から酒井あずさとしてピンク映画、Vシネマに出演。04年に第16回ピンク大賞女優賞を受賞。佐野和宏脚本作品では『あぶない美乳 悩殺ヒッチハイク』(11年/森山茂雄監督/原題『それでも人生にイエスと言う』)に出演。近作は、『美熟女 好きもの発情狂』(13年/竹洞哲也監督/原題『星野降る夜に』)、『野外乱交 殺したいほど愛してる』(14/竹洞哲也監督/原題『性悪Romantic』)ほか、出演本数は70本を超える。
1985年、TBSテレビ小説「五度半さん」で女優デビュー。以降、数々の映画、TVドラマ、舞台に出演。97年にロックバンドVERY VERY IRONのボーカル、ギターとしてCDデビュー。07年にはソロアルバム「ninamiho」を発表。また、絵画に於いては様々な美術展に出展する他、グッズ展開するなど、活動は多岐にわたる。映画出演作は、三池崇史監督の『太陽の傷』(06)、『神様のパズル』(08)、『逆転裁判』(12)、『藁の楯』(13)。廣木隆一監督の『M』(07)、『きみのともだち』(08)、『さよなら歌舞伎町』(15)。阪本順治監督の『この世の外へ―クラブ進駐軍』(04)、『座頭市 THE LAST』(10)。『稀人』(04/清水崇監督)、『ドリーム・クルーズ』(07/鶴田法男監督)、『DEAD BALL』(11/山口雄大監督)ほか多数。
1986年、静岡県生まれ。映画、舞台、TVドラマ、CM、PVと幅広く活動。舞台では、劇団☆金魚鉢「顔と罰~イケメン×ブサイク学園戦争」、SPIRAL CHARIOTS「murder」「dreadful prawn」(怖いエビ plus)などに出演。主な出演映画は、『ストロベリーナイト』(13/佐藤佑市監督)、『死二化粧』(13/福島芳樹監督)、『海月姫』(14/川村康祐監督)、『THE NEXT GENERATION-パトレイバー‐』(15/総監督:押井守)ほか。ドラマ「ランチのアッコちゃん」「ウルトラマンX」に出演。
1949年、東京生まれ。俳優、映画プロデューサー。70年代に土方鉄人、沢辺均らと「騒動社」を結成。『実録たまご運搬人警視庁殴り込み』(75/土方鉄人監督)、『特攻任侠自衛隊』(77/同)、『戦争の犬たち』(80/同)といった本格アクション自主製作映画をプロデュースし、自ら主演する。なかでも『戦争の犬たち』は35㎜フィルムで撮影され、爆破、戦闘シーンのド派手さから「史上最大の自主映画」と呼ばれる。また『オレンジロード急行』(78/大森一樹監督)、『狂い咲きサンダーロード』(80/石井聰亙監督)、『水のないプール』(82/若松孝二監督)、『戦場のメリークリスマス』(83/大島渚監督※正しくは「者」に「´」)、『盲獣vs一寸法師』(04/石井輝男監督)、『任侠秘禄人間狩り』(06/杉作J太郎)、『ヒーローショー』(10/井筒和幸監督)ほか出演作多数。さまざまな映画の製作をサポートし続けている。佐野和宏とは『狂い咲きサンダーロード』以来、実に35年ぶりの共演となった。
1952年生まれ。映画評論家、京都造形芸術大学教授、NPO法人ジャパン・フィルムコミッション理事長。高校時代から「キネマ旬報」誌に映画評を投稿、若い投稿者の常連だった。東京大学法学部卒業後、文部省(現文部科学省)に入省。勤務の傍ら、映画評論家としての活動も活発に行う。87年から「B級映画評論通信」を発行、90年には「日本映画評論通信」と改題して日本映画の状況に対する論考を行う。また一般映画だけではなく、低予算映画、とりわけピンク映画を愛した。2012年には、日本映画の現状に対する不満から「見たい映画がないのなら、自分たちで作ろう」と呼びかけ、坂口安吾の短編小説で知られる『戦争と一人の女』(井上淳一監督)を製作した。佐野和宏監督作品をいち早く評価しており、プロデューサー第二作となる本作では「佐野の映画が見たい!」と自らプロデュースを買って出た。映画関連の著作に、「映画を追いかけて」「映画を見つめて」「映画に恋して」(いずれも弘文出版)、「韓国映画ベスト100 『JSA』から『グエムル』まで」(朝日新書)、「ロマンポルノの時代」(光文社新書)など。